「結婚に向けて結納を行うことになったのだけど、結納ってそもそも何?必要あるの?どんな流れなの?…」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
本日は、結納についてに関する説明と大きな流れを結納体験者の視点からアドバイスできればと思います。
結納とは
結納(ゆいのう)は、日本の伝統的な儀式であり、婚約を公式に認めるための儀礼の一つとされ、結婚式や披露宴の前に行われ、新郎側の家族が新婦側の家族に贈り物をし、婚約を祝福する場として設けられています。
また結納を行う目的としては、お互いの家族の交流を深めることで、結婚の意思を固めるためとされています。
私の場合も、最初は夫の両親が「今どき結納なんてするの?」という考えでしたが、自分の両親は「親戚も集まって結納を執り行い、送り出してあげたい」と考えていたので、夫側の両親と相談をして結納を行いました。
結果的には、両親の希望を叶えることができて本当に良かったと感じています。
結納の種類
結納は大きく「正式結納」と「略式結納」の2パターンありますが、現代では自由度の高いは略式結納が好まれる傾向にあります。
正式結納とは
古き良き時代より親しまれた歴史ある結納の形式「正式結納」。
必ず仲人が必要という点と両家が顔を合わせない点が特徴です。
略式結納とは
料亭やホテル、レストランといった場所に両家が集まり、その場で結納品や受書のやりとりを行うスタイルです。
仲人の有無や進行役が誰がやるなど特に決まりがなく、双方で自由に決められるのが特徴です。(司会は新郎新婦がおこなったり、両家のご両親が行ったりなどケースも様々)
結納の流れ
結納の仕方は、地域や家族の伝統、個人の好みによって異なる場合がありますが、一般的な流れは以下の通りです。
1. 事前準備
結納の準備と聞くと少し難しそうですが、大きく以下の4点について上から順に決めていくとスムーズに行くと思います。
- 形式……結納をどんな形式で行うのかを決める
- 結納品・結納金・結納返し……それぞれの点数・金額を決める
- 日取り・場所・費用負担……結納と祝宴(食事会)をいつどこでやるのか、費用の負担はどうするのかを決める
- 服装……結納当日のみんなの服装の格を決める
1.形式について
日本全国で考えると様々な地域独自の結納の形式が存在します。
大きく分けると「関東式」「関西式」で分けられますが、たとえば、北海道では魚介類や乳製品などの郷土料理が結納品として贈られることがあります。また、沖縄では結納品としてサンシン(琉球の伝統的な結婚式の舟)が贈られることもあるようです。
このように両家の実家が互いに遠方だった場合は、スムーズに結納を執り行うべく、どちらの形式に合わせて準備をするのか、どういうプランにするのかなどを事前に話し合っておくことが重要です。
2.結納品・結納金・結納返しについて
◆結納品
9・7・5品など奇数で調えることが一般的な結納品。
一番代表的なものが婚約指輪です。
両家間で同じグレード、または女性側が用意する結納品のほうが豪華にならないよう準備するのが一般的なので、バランスを考えれば同じお店で揃えるところがポイントです。
◆結納金(結婚準備金)
金額を決めるのは男性側ですが、結納を行う以上『結納金はなしにしましょう』と申し出るのは避けた方がいいのかなぁという印象です。
新婦側の両親からしたら、「大切に育てた娘を嫁に出すのに結納金なしとは何事だ!」
みたいなお父さんも中にはいらっしゃると思いますので。w
ちなみに結納金の相場は100万~150万円未満で、全国平均は94万9000円。
100万など切りの良い数字で包むのが良いとされています。
また、予め結納返しの金額を差し引いた額の結納金を包むケースもあるみたいです。
◆結納返し
地域によって異なりますが、結納金の半額~3分の1の金額を包むか、それと同程度の品物を贈るのが相場です。
金額や内容の可否は相手の親に直接聞きづらいので、彼を通して同意を得た上で自分の親に伝えるとスムーズだと思います。
結納返し分を差し引いた形で結納金を受け取る場合は、なしでもOK。
3.日取り・場所・費用負担について
◆日取り
日程の目安は、結婚式の8~5ヶ月前です。
日柄は「大安」「友引」「先勝」など縁起のよい日を選ぶとよいでしょう。
日本では「祝い事は午前中に行うのがよい」とも言われているため、午前中に結納をする方が多いです。
◆場所
新婦の実家が一般的です。
その他、料亭、ホテル、レストラン、結納専用の施設や、神社や寺院で行う場合もあるので、ります。
雰囲気や料理などの希望をふたりが自分の親にヒヤリングした後、持ち寄って相談して決めると良いでしょう。
◆飲食代の費用負担
平均費用は約17万円(結婚準備金を除く)
女性宅で行う場合は女性側が持つのが一般的です。
ただ自宅以外で行う場合は折半というケースも多いですが、遠方から出向く場合は、交通費や宿泊費も必要になるため、予めどちらか一方の負担が大きくなり過ぎないよう、調整しておくと良いと思いますよ。
当日の流れ
1.結納品を飾る
和室の場合は床の間か床の間の前、洋間ならテーブルの上に結納品を飾り付けるのが基本です。
男性側が先に部屋に入り飾り付けを行い着席し、その後女性側が同様に部屋に入り飾り付けを施し着席します。
2.始めの挨拶
男性側の父親が進行するのが一般的です。
メモを見ながらの進行でもマナー違反にはあたらないのですが、最初に挨拶は次のように行いましょう。
下記に挙げる口上は代表的な挨拶になりますので、参考にしてみてください。
「このたび、お嬢さまと私どもの息子とご縁がありましたこと大変嬉しく思っております。
本日はお日柄もよろしく結納を納めさせて。」
3.結納品を納める(男性→女性)
始めの挨拶が済んだら男性の母親が結納品の場所へ赴き、結納品を片木盆(へきぼん)に載せ、お盆ごと女性の前に運び、母親は一礼して席に戻ります。
次に男性の父親が、「ご縁組の印として結納の品々を納めさせていただきます。目録をお改めの上、幾久しくお納めください。」と述べます。
4.女性側からの受書の渡し
女性側が、「結納品の目録」を取り出し確認をします。確認が済んだら目録を元に戻し、女性本人が「ありがとうございます。ご結納の品、幾久しくお受けいたします」と述べます。
続いて女性の母親が結納品を床の間へ運び、「受けとりました」という「受書」を男性に渡し、「受書でございます。幾久しくお納めください」と伝達します。
男性は受書を確認し、続いて父母も確認します。
5.結納品を納める(女性→男性)
結納品の納め方も地域によって異なります。関西式の場合、男性側のみ結納品を納めて終了となります。
関東式では、「3. 結納品を納める(男性→女性)」までは同じ流れになりますが、女性側から男性側へ結納品を納めます。
6.男性側からの受書の渡し
関東式においては「4. 女性側からの受書の渡し」と同じ流れで男性側から女性側に受書を渡します。
7.婚約記念品を披露する
婚約指輪などの「婚約記念品」を準備している場合、お互いに交換します。すでに婚約記念品を交換済みの場合は、この場でお互いの両親にお披露目すると良いでしょう。
8. 締めの挨拶
男性の父親が「本日はありがとうございました。おかげさまで無事結納を納めることができました。今後ともよろしくお願いいたします」と締めの挨拶をします。
女性側の父親も「こちらこそありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」と挨拶します。
その後、両家での記念撮影を行い食事会に進む流れになります。
9. 宴会(食事会)
結納の後、良型の親睦を深めるべく、親族や友人たちが集まって宴会(食事会)を行うケースも多いです。
女性側の自宅で行う場合には、結納後のお食事会をそのまま女性宅で行うか、もしくはホテルや料亭・レストランなどに移動する場合があります。
女性宅で行う場合
仕出し料理や寿司の出前などを利用するケースがほとんど。
前もって「祝膳」と伝え、日取り、人数、料理、お酒などの予約をしておきましょう。
和食でなくてもかまいません。
費用負担は女性側がもつのが一般的ですが、両家で話し合って折半するのでもいいでしょう。
料亭・レストランで行う場合
結納後の祝い膳を囲むために利用する旨を伝え、日取り、人数、料理、お酒などの予約をしておきましょう。
せっかくなので、固めの盃をいただきたいもの。お酒が入ると運転ができないので、移動には、タクシーなどの交通手段を使うといいでしょう。
費用負担は、両家折半が一般的ですが、両家で話し合って決めましょう。
結納を行うかどうかは両家の話し合いで決めよう
最近では、結納金を包まない簡略結納を行う方や顔合わせ食事会で親睦を深めるカップルも増えていますが、昔からの古き良き伝統というところもあるので、中には結納を行うべきとお考えのご年配方も多いのではないかと思います。
結納は、家族や親しい人々とのつながりを深める機会として大切にされることが多いです。
お二人やご両親とよく話し合い意義のある式典に出来れば良いですね。